サウジ記者殺害はどこで幕引き?
2018年10月にトルコのサウジアラビア総領事館から行方不明になっていたジャマル・カショギ氏がサウジアラビア側に殺害されていた、という事件。
15人もの暗殺部隊が総領事館に出向き、計画的に殺害された可能性が指摘されています。
本当だとしたら、国家ぐるみの犯行になるんですが、いったいどこで幕引きになるのか?
ちょっと考えてみたいと思います。
事件の背景
まずは、事件の背景から。
事件発生
事件発生は、2018年10月2日、婚約者との婚姻届書類を提出するために、トルコのサウジアラビア総領事館を訪れたジャマル・カショギ氏が行方不明になりました。
当初、サウジ側は領事館を出た後、行方不明になった、と言ってましたが、じつは、ジャマル・カショギ氏が総領事館を訪れた時に殺害されていました。
その後、サウジ側は、ジャマル・カショギ氏が騒いだので、それを止めようとしたら死んでしまった、など説明が二転三転することから、サウジ側の説明に信憑性が疑われています。
生きたまま!?
ジャマル・カショギ氏が殺害された様子をトルコ側が録音していて、サウジ側の主張が最初から嘘だとわかっていた風な報道がされています。
しかも、生きたまま残忍な方法を使って殺害された、など、どこまでが本当かわからない情報がニュースで流れました。
ジャマル・カショギ氏とは?
ジャマル・カショギ氏とは、1958年10月13日生まれの60歳のジャーナリストでした。
もともと、サウジアラビア内の記者でしたが、2017年にアメリカに亡命。その後、サウジ皇太子批判を展開していました。
黒幕は?
サウジの王族、とくに皇太子を批判して殺害されたと思われるジャマル・カショギ氏。
暗殺部隊を送り込んだ黒幕は誰なのかが話題です。
サウジ国王
暗殺部隊を送り込む権力がある頂点にいるのが、現サウジ国王。
ただ、2018年10月時点でサウジ国王を黒幕だとする見方はひとつもありません。
サウジ皇太子
ジャマル・カショギ氏の殺害を命令した黒幕として名前が出ているのが、次期国王と目されるムハンマド・ビン・サルマン皇太子。
皇太子は、イスラム教徒の國サウジアラビアでありながら、それまで禁止されていた女性の運転を許可したり、映画館を建設するなど、改革を進める人物。
しかし、その逆に批判する人物は投獄していた、などと報道されています。
側近
皇太子がジャマル・カショギ氏殺害を指示した、とみられる一方、皇太子の側近が忖度して殺害したのでは?などとも言われています。
どこで幕引き?
ジャマル・カショギ氏殺害には暗殺部隊15人がサウジからやってきたことを考えると、王族の中でも下っ端には不可能でしょう。
しかも、殺害は総領事館で行われていることを考えると。
かといって、皇太子が殺害にかかわったとしても、サウジ側は言わないでしょう。
まわりの国が、皇太子を責めても、できることといえば、経済制裁くらい。
皇太子を次期国王にしない、と要求するのは内政干渉ですし。
すでに実行部隊はサウジ側が拘束した、と言っていますが、指示されないと暗殺などしない部隊を拘束してどうするんでしょうか?
トカゲの尻尾切りにしてもヒドすぎます。
ということは、側近の誰かが尻尾切りとして犠牲になる可能性が大ですね。
感想
今回のジャマル・カショギ氏殺害事件で、親日国で、お金持ちの国だと思っていたサウジアラビアの内情は、じつは自由にものが言えない国だと知りました。
よく考えたら王政ですし。
ただ、自由にものを言う代表の記者を口封じのために殺すような体制は問題ですし、日本も気をつけないといけませんね。